Python(パイソン)とは
Python(パイソン)というプログラミング言語をご存知でしょうか。プログラミングの経験がない方は聞いたことがないかもしれません。しかし、海外では非常に多くのエンジニアたちが利用している汎用プログラミング言語です。世界最大のIT企業「Google」は、Pythonを自社の三大プログラミング言語として捉えています。その他のMicrosoftやFacebookなどの一流IT企業もPythonを取り入れています。しかし、日本国内ではまだまだ馴染みのないPythonについて今回はご紹介していきたいと思います。
意外な誕生秘話を持った言語
Pythonは、グィド・ヴァンロッサム(Guido van Rossum)という人物によって1990年に生み出されました。彼の出身地はオランダで、同国のアムステルダム大学で数学と計算機科学の修士号を取得しました。大学を卒業した後はオランダ国立情報数学研究所へ、その後はアメリカ国立標準技術研究所に勤務していました。2015年にGoogleで働いていた経歴もあり、その翌年にはニューヨークに本部があるコンピュータ科学分野の国際学会から「Distinguished Engineer」の称号も得ています。まさにIT分野における第一人者と呼ばれる存在です。Pythonはそんなグィド氏が開発を手掛けました。「もっと使いやすいプログラミング言語があれば」という彼の思いつきがPythonとしてカタチになりました。
言語の由来と当時のIT情勢
Pythonの名前の由来はオランダ国立情報数学研究所にいた頃に参加していたプロジェクト「ABC」に大きく影響を受けています。ABCの由来は「ローマ字の先頭三文字と同じくらいシンプルで分かりやすいプログラミング言語を」という意味を込めて名付けられましたが、その想いと現実には大きなギャップがありました。そこでグィド氏は「由来は深く考えず付けてしまおう」と考え、BBCのコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」のパイソンから名前をつけました。
Pythonが誕生した当時は、世界各国でIT技術が目覚ましく発展した時代でした。1991年に成立された高性能コンピューティング法は、他の国よりアメリカがITの世界をリードしていかなければならない、他の国にIT分野において負けないようにすることを目的に生まれた法律です。この法律により、新しいプログラミング言語がどんどん生み出されました。
成長を確かなものにしたきっかけ
Pythonの人気が広まったのは2000年10月に公開したバージョン2の登場がきっかけです。バージョン2へアップデートしたことにより、様々な機能が向上しプログラムが確保したメモリ領域のうちいらない箇所だけを自動的に解放してくれる機能が導入されました。さらに5年後の2005年にはPythonで実装したウェブアプリケーションフレームワークのDjangoが誕生します。これは複雑なデータベース主体のウェブサイト構築をシンプルにできるようにしたフレームワークです。その後、次々と新しいフレームワークが追加されました。