文法がシンプルで覚えやすいことは、Pythonの大きな特徴です。プログラミング言語を学び、勉強していくとプログラミング言語ごとに文法を覚えていくことになります。Pythonは、文法がシンプルで必要最低限のものしかなく簡略化されていて覚えやすい文法となっています。
また、Pythonは読みやすさや書きやすさを重要視し開発されたプログラミング言語で、誰が書いたとしても似たようなコードになります。コードを書いた本人でも分からなくこともありますが、Pythonは解読するのが簡単で初心者がベテランの書いたコードを読んで学習できる点が魅力の一つです。記述ルールの一つに、オフサイドルールというコードを読みやすくするものがあります。このルールは行の始まりをインデントして文の塊を表示することです。入れ子構造が深くなっていくと文が右側に書かれるので直感的に入れ子構造を理解し読みやすくなります。
汎用性の高いコードをまとめたプログラムのことをライブラリと呼びます。Pythonでは豊富なライブラリが公開されていて、プログラミングを組みやすい環境が整っています。ライブラリには、画像処理や音声処理、動画処理、数値処理、信号処理、統計処理、ウェブ開発、サーバー、フレームワーク、データベース、自然処理などがあります。ライブラリとして作成されたものは自分のプログラムに取り入れることができます。自分が一から全てを作成するのではなく、ライブラリを上手に活かし使用することで無駄を省き、効率的にプログラム作成ができます。
プログラミング言語には、コードを機械語に変換する作業のコンパイルを必要とする言語と必要としない言語の二つがあります。実行のたびにコンパイルする「インタプリタ型言語」と、事前に一括でコンパイルする「コンパイラ言語」です。インタプリタ型は、プログラム実行と同じタイミングでコードを読み込むためにコンパイルしておく必要がなく、確認がしやすいです。エラーが結果的に少なくなり、解読時間が短縮されます。コンパイラ型で発生してしまった大量のエラーを修正していく作業は忍耐が必要です。経験が浅いプログラミング初心者には精神的にハードな作業でしょう。そういった理由からインタプリタ型のPythonはエラーを修正しやすく初心者にも学びやすい言語だと言えます。
世界的に機械学習や深層学習(ディープラーニング)などのAI分野への注目が集まり始めています。高度な計算や統計処理がAI分野のプログラム処理には求められるのですが、そこで便利なのがPythonです。AI分野の外部ライブラリも充実していて、Facebookが開発したPyTorchという深層学習のライブラリやGoogleが開発したTensorFlow、データの解析に便利なpandasなどがあります。PythonがAI分野の開発において必要不可欠なのはこうした理由からなのです。